沙羅双樹  京都/妙心寺-沙羅双樹の寺/東林院

美しく咲いても一日の命、でも精一杯で誇らしげ   心静かに過ごしてきました。

"花のささやき"

沙羅双樹は、お釈迦さまが入定された時、いっせい

に花開き、その死を悲しんだといわれ、仏教とゆか

りの深い冬木です。

 インドと日本の沙羅双樹は種類が違いますが、

『平家物語』にうたわれた沙羅双樹は日本の木がイ

メージされたもののようです。

朝に咲き夕には散りゆく〃一日花"の姿が、人の世

の常ならぬことをよく象徴しています。

"形あるものは必ずこわれて行く。形美しきもの永

遠に保てず"

 お釈迦さまは「今日なすべきことを明日に延ばさ

ず、確かにしていくことがよき一日を生きる道であ

る」とお教えになっています。沙羅の花は一日だけ

の生命を悲しんでいるのではなく、与えられた一日

だけの生命を精一杯咲きつくしています。

 人間の生命にはいつかは限りが来ます。

 そこから「生かされている人生をどう生きるか。

今日を無駄にはできない」、つまり「今は今しかな

い。二度とめぐり来ない今日一日を大切に、悔いな

ぎ人生を送らねば……」という気持ちがわいてはこ

ないでしょうか。

 この仏縁深き花のもとで、静かに座って自分を見

つめ、"生きる"ことについて考えてみてください。

    佛さへ身まかりませし花の色

      見でいま沙羅におもえ諸人

          山田無文老大師御作

(参考資料)最盛期の状態

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